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──特に「冬のソナタ」ブームはものすごかったですが、韓国出身のシンさんの目にあの熱狂はどう映っていたのでしょうか。

日本人の親しみやすさや、オープンなマインドを感じました。というのも、日本で住んでいたとき、マンションにNHKの集金が来たんです。はじめは何気なく払っていたんですが、私が韓国人だと気付いたからでしょうか、ある日集金に来た人が「辛ラーメン」を僕にくれたんです。「韓国の方ですよね? これよかったらどうぞ」って。そのあと「冬のソナタを一緒に観ませんか?」と誘われました(笑)。

普通に道を歩いていたときにも、女性から一緒に写真を撮って欲しいと頼まれたこともありました。「韓国」というだけで親しみを持って接してくれて、とても嬉しかったことを覚えています。同時に、韓国カルチャーやエンタメの力を強く感じ、将来は音楽やエンタメ関連の仕事に就きたいとぼんやり思っていたものが明確になったきっかけでもありました。

その後、韓国でMBAスクールに通っていたときにYGエンタテインメント現社長であるヤン・ミンソクさんと出会い、そのご縁でYGエンタテインメントに入社することになります。


「AXIS」の第1弾マルチクリエイターボーイズクルー「ambitious ambition」のメンバー、elan。

──いま日本では、「韓流サードウェーブ」といわれるほど韓国カルチャーが幅広いシーンで根付いています。その理由はなぜだとお考えですか? 

要因のひとつは、社会環境の変化だと思います。冬のソナタに盛り上がっていた方々は、テレビドラマをきっかけに40〜50代が中心でした。その後BoAや東方神起などアイドル性があるアーティストが若者たちからも人気を集めましたが、その頃熱中していた人々の年齢が上がり、同時にSNSなどで簡単に情報が手に入る時代になったため、若年化がどんどん進んでいます。

その結果、ファッションやグルメといったライフスタイル領域までトレンドが広がっていったのだと思います。

いまは日本以外でも音楽、ファッション、ビューティなど「韓国コンテンツ」は注目され、ものすごい勢いで全世界に広がっています。SNSで情報拡散する現代において、韓国コンテンツはアジアの枠を超え、グローバルトレンドとなっているのが現状です。

今後はSNSを駆使するデジタルネイティブなZ世代をメインに巻き起こる、新しいKカルチャーのムーブメントの時代に突入し、今以上に韓国コンテンツは世界に届けられ、規模を拡大していく。その中心がAXISでありたいと思っています。

──音楽シーンではいかがでしょうか?

音楽に限って言えば、K-POPの強さを改めて感じています。これは急に変わったものではありませんが、動画系SNSの流行が後押ししています。K-POPの強さとはなにか。2つあります。

ひとつは、ダンス。アイドルグループの新作ダンスが日本でもしばしば話題になるように、韓国の音楽シーンではダンスが特徴的なアーティスト・楽曲が多いです。これを若い人たちは動画を撮って真似て拡散することで、アーティスト、しいては韓国カルチャーへのタッチポイントが増えることに繋がります。

もうひとつは、韓国でははじめから海外マーケットを前提に楽曲製作をしている点です。日本では国内市場がある程度大きいので、国内だけでもある程度の規模にはなれる。一方韓国では国内市場がそもそも小さいので、海外マーケットを狙った楽曲やビジュアルをはじめから考えざるを得ないのです。


「ambitious ambition」のメンバー、LOGAN。音楽プロデューサーとしても活躍する。

文=石原龍太郎 写真=小田駿一

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