I am an economics professor focusing on retirement security and jobs.

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世界で最も有力な男性の1人はかつて、「絶対にはげてはいけない」と言ったそうだ──。抜け毛対策用品に費やされる金額は、年間およそ40億ドル(約4450億円)。ドナルド・トランプ米大統領とヘアコンディショナーなどの市場はきっと、根本的な真実をよく理解しているのだろう。

「はげ頭の男性は実年齢よりも老けて見え、はげていることを気にしている」というのは、偏見だろうか。そうだとすれば、なぜそのように思うのだろうか?

経済が不安定な時代の美

(2000年代後半に起きた)グレート・リセッションは、「マンセッション」と呼ばれることもある。失業者の大半が男性だったからだ。米シンクタンク、アーバン・インスティテュートによると、2007年12月から2009年6月までの間に失業したおよそ600万人のうち、74%が男性だった。

経済的な不安定さは、さまざまなことに関する不安を高める。そして、そこには「美」も含まれる。男性もまた、虚栄心や美容業界と無縁ではない。次の景気後退期(リセッション)に入ったときには、ボトックス注射を打ったり、美しさを気にしたりする中高年の男性が増加するだろう。

加齢について女性が何十年も前から知っていたことを、男性も学び始めているのだ。市場で競い合おうとするなら、外見も良くなくてはいけない。外見が良いことは、若く見えることでもある。また、お腹が出ていない、肌が若々しいなど、自己管理ができていると判断されることにもつながる。

「美」は利益

労働市場においては、加齢は性別を問わず地位の喪失を意味する。次のリセッションに入ったとき、高齢の男性たちは自分の価値がそれほど高くなくなっていることに気付かされるだろう。

今後より多くの調査が必要ではあるが、美容整形や美容製品、化粧品などの男性の需要は、女性の需要以上に景気循環に敏感に反応し、深く関連したものになると予想できる。化粧品と美容医療などは基本的に、リセッションに強い(い
わゆる「リップスティック効果」がある)。

編集=木内涼子

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