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ニーコ・メリッサーノ、ルーヴル美術館デジタルコミュニケーションディレクター

毎日2万7千人のビジターが、「モナリザ」をはじめ3万8千点の常設コレクションを見ようと、大きなガラスのピラミッドに吸い込まれていく。

年間1020万人という世界一の来館者数を誇るルーヴル美術館は、世界中の旅行者や美術愛好家を惹きつけ続ける、文字通りの「カルチャー・ハブ」だ。

「ルーヴルに来館するのに最適な時間は、水曜と金曜の夜間開場時間です」というのは、この美術館のデジタルコミュニケーションディレクター、ニーコ・メリッサーノだ。

「だいたい夕方6時ごろ、あたりが暗くなる時間帯は、館内にいる来館者の数が減るだけでなく、収蔵作品を包む神秘がより濃く感じられるんです」

メリッサーノはイタリア、プーリア州出身。パリでもっとも重要ともいえるこの美術館のソーシャルネットワークを構築し、発展させた功績は小さくない。ルーヴルは、フェイスブックとインスタグラムを通じて世界でもっともフォローされている美術館の一つだ。

「作品を取り巻くエピソード」を伝える

フェイスブックのフォロワー数は270万人、インスタグラムは230万人。また、140万人がツイッターでフォローする。ルーヴルの15あるソーシャルネットワークのアカウントを「少なくとも一つ」フォローしている人数は、700万人以上になる(ユーチューブ、Weibo(中国版ツイッター)、WeChat(中国版チャットツール)も含む)。

パリになかなか行けない美術愛好家たちにとって、ルーヴル美術館がSNS上で充実の編集コンテンツを提供していることは大きな恩恵だ。

しかしそもそも、美術館は、ソーシャルメディアを利用していったい何を発信するのか。

「われわれのプライオリティーは、ルーヴル美術館を、すべての人にとってさらにアクセスしやすく、かつオープンな空間にすることです。先入観を取り除きたいんです。つまり、美術館は、一部の教養人のための場所ではないということをわかってもらいたい。そのためには、つねに最新のテクノロジーに適応し、来館者がデジタルツールをどう利用しているかを研究しながら、現代における『革新的な』ルーヴル美術館を提案する必要があると思っています」

また、メリッサーノ氏によると、ソーシャルネットワークは「美術史」を愛好する人々にもすばらしい場を提供しているという。

「ビデオやポッドキャストを通して、作品について語る場を充実させることができ、新しいオーディエンスを獲得することができます。たとえば、展覧会「イタリアの夢:カンパーナ侯爵コレクション展」に合わせて、カンパーナ侯爵(1808年生〜1880年没。イタリアの美術品コレクター)の人生を4つのエピソードとして語るポッドキャストを立ち上げました。カンパーナ侯爵のコレクションは2018年11月から2019年2月18日まで一般公開され、ポッドキャストのリスナーは6500人に達しました」

メリッサーノ氏は、チャットボット、ポッドキャスト、その他のソーシャルネットワークという21世紀のツールを活用することで、「作品を取り巻く物語、作品の背景にあるエピソードを伝えたい」という。そうすることで、少年少女も含めた若い世代にもアートの世界との接点を持ってほしいと考えているのだ。

文=Giulio Zucchini 翻訳=大村紘代 編集=石井節子 写真=Forbes Italia提供

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