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ADDress代表 佐別当隆志

Forbes JAPAN 5月号(3月25日発売)では、多拠点生活や移住、地域活性を目指す「越境イノベーター」のヒントになる事例にフィーチャー。そのうちの一つが、「月額4万円から全国住み放題」で注目される多拠点居住サービス「ADDress」だ。

代表の佐別当隆志に、地方で拠点づくりをする上で心がけていることや、サービス設計の舞台裏を聞いた。


── 全国どこでも住める多拠点居住サービス「ADDress」が4月から利用開始になります。注目が高まっていますが、反響はどうですか。

予想以上の反響を得ています。2019年4月から最初の利用者30人がサービスを使い始めますが、この枠に全国から1100人の応募がありました。20,30代が70%、40代を含めると90%を占めていて、地方を拠点に活躍したい若者が増えていると思います。2月にクラウドファンディングを公開すると、1日で目標金額の200万円を上回り、1カ月で1266万千円もの支援金が集まりました。

地方を拠点に活躍したい若者が多いと思いますが、実際に移り住むにはまだハードルが高いと思います。「ADDress」のサービスによって、そんな人たちが旅館や民泊ではなく、各地のシェアハウスで暮らせるようにしたいと思っています。物件には、全国の空き家を活用します。田舎暮らしをより快適に、楽しく過ごせるようになってほしいという思いがあります。結果として空き家対策や地方活性化につながったら良いと思います。

── 全国にIターン、Uターン移住者が増えている背景とこれまでのトレンドの変化について教えてください。

10年前に比べて地方を拠点にする人が格段に増え、時代が変化しました。IターンやUターン移住者が地域に入り始めた後、ここ5年で彼らを追いかけるように若者も増え、地域をイノベーションが起こる拠点に変えてきました。

地方では「何をするか」よりも「誰がするか」が重要視されます。地域に根ざして暮らし、商売する人がいるなか、よそ者が新しいことを始めても失敗する可能性は高いと言えます。しかし、先に移住者が失敗や成功を経験したことで、信頼性は少しずつ高まってきました。地域の人たちの中にもファンができて、彼らの活動をフォローしてくれるのです。都心部で挑戦するにはハードルが高いことでも実現しやすい環境が、各地に数十カ所と増えています。   

10年ほど前から、エアビーアンドビーが世界的に急成長するなど「シェア」の概念が広まったことも、私たちの暮らしや価値観を変え、地方の拠点を作りやすくしています。

── 佐別当さんご自身も自宅でシェアハウスを運営しています。そのきっかけは何ですか。

僕自身はシェアハウスの先駆けだった2010年に、東京の「ソーシャルアパートメント恵比寿」に入居し、起業家やベンチャーキャピタリスト、学生など多種多様な人たちと一緒に暮らしました。いつも広いリビングで皆とご飯を食べ、誰かが友達を連れてきて、偶然の出会いが重なりました。ちょうどツイッターが流行り始めた頃で、SNS上にタイムラインが流れるように、「リアルなソーシャルメディア空間」を体感したのです。

そこで、「これからは、人と人がつながる空間が広がっていくだろう」と実感しました。シェアハウスで出会った台湾人女性との結婚と子育てを機に、13年から自分でもシェアハウスの運営を始めました。当時は子供が入れるシェアハウスがほとんど無かったのです。いまは保育園併設のシェアハウスをつくるプロジェクトなど、全国の拠点づくりにも関わっています。

文=督あかり

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