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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

スバル「ヴィシヴ・アドレナリン・コンセプト」

僕は昔からスバルのボクサー・エンジンと4WDの組み合わせの大ファンだけど、コンサバなデザインは少し気になるところでもあった。

今月初め、ジュネーブ・モーターショーで多くのカーメーカーが独自のデザインの方向性を発表する中、スバルは「ヴィジヴ・アドレナリン・コンセプト」を発表した。このクルマの重要性を象徴するかのように、スバルのデザイン部長の石井守氏は、少し緊張気味で英語でプレゼンをしていた。

発表後、そのコンセプトの前で「ピーターさん、どうでしょう。このクルマの『ボールダー』を感じましたか?」と聞かれた。「確かに、ボールダーですよ」と答えた。デザインのキーワードの「Bolder」の意味はまさに、石井氏が提案している「大胆」そのもの。細かく言えば、「Bold」は「大胆」で、「Bolder」は「さらに大胆」ということになる。

さあ、ワンポイント英会話が終わったところで、このヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトのデザインの評判をお伝えしよう。

実用性と美しさと……

会場でコンセプトが披露された瞬間に僕は思った。これは、キーワードの通り大胆だ。隣りに立っていたイタリア人の同僚は、「近未来のXVみたいだね」と言った。僕も頷いた。

とはいえ、スバルは昔から、かなり大胆なデザインをしてきていると思う。2000年には、“カエルの眼”をしたWRXを、2014年にはデザイン・フィロソフィのDYNAMICxSOLIDを発表している。このスタイリングを取り入れたインプレッサやレガシィなどは、クルマとしてとても良くできていた。ただ、デザインは実用的だけど、美しいとは言い難かった。

正直なところ、今回の「Bolder」というデザイン・ランゲージも、近未来的で実用的だけど、美しいと表現するのは難しい。個人的には、せっかく全く新しいデザイン方向性を発表するなら、なぜ見惚れるほど美しいコンセプトを出してくれないのか、と残念に思ってしまう。

2年前の東京モーターショーで披露したヴィジヴ・パフォーマンス・コンセプトは、マッチョ的に美しいコンセプトだと思って、ぜひ次期WRXにして欲しいと思った。一方で、今回のヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトは、とてもエッジが効いて、バンパープロテクターも非常に目立っているので、ガンダムというか、トランスフォーマーのようなイメージだ。



スバルはアメリカでこの10年間、日本のカーメーカーの中で最もセールスの成長率が良く、市場シェアは4%弱にまで伸びた。その販売成長の秘密は、アメリカ人が乗りたがるアウトバック、フォレスターなどの4WDの小型SUVを作っていることにある。つまり、スバルがSUVを作れば、売れるということだ。デザインがコンサバでも。

文=ピーター・ライオン

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