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1日のあいだに自分が何を食べ、何を飲んだのかを記録するなんて、つまらない作業に思えるだろう。しかしそうした作業は、体重を大幅に減らすのに効果的な場合がある。しかも、そうした作業はあまり時間を取らないことに、大半の人は気づいていない。

新しい研究によると、1日15分未満で済む「食生活の自己モニタリング」で、人生が一変するような成果が得られる可能性があるという。

この研究論文の筆頭著者で、バーモント大学栄養食品科学部の学部長ジーン・ハーヴェイは、「(食生活を記録する作業は、)誰もが嫌がる。面倒だし、大変すぎると考えるのだ。だが私たちは、こういう疑問を抱いた。食生活を自己モニタリングする作業には、実際にはどのくらいの時間がかかるのか、という疑問だ」と話す。「調査の結果、それほどかからないことがわかった」

ハーヴェイら研究者は、被験者およそ140名に、体重管理用の行動記録アプリを使ってもらい、食生活の自己管理習慣を追跡調査した。被験者たちは6カ月にわたり、自分が食べた1日の食事内容を記録したほか、オンラインのグループセッションで専門栄養士と週に1度、対話した。

アプリには、被験者が食事内容を記録するためにログインするたび、使用履歴が残される。研究者たちはその履歴をもとに、記録作業にかかった時間を追跡した。

その結果、体重が10%減少した(最も多く体重を減らした)被験者は、プログラムの1カ月目には、自己モニタリングに1日あたり23分強の時間を費やしていたが、プログラムの最終月には、その時間がわずか15分弱になっていたことがわかった。

ただし研究グループは、モニタリングに費やす時間が少なくなったことは素晴らしいとしながらも、それが被験者をダイエット成功に導いた主な要因だったわけではないと話す。むしろ、最も多く体重を減らした被験者たちは、「手短かだが頻繁に」記録するなかで、ダイエットの経過を毎日欠かさず追い、1日を通じて自分自身をチェックすることで、体重を減らすことができたのだ。頻度は高ければ高いほうがいいという。

ハーヴェイはプレスリリースで、「1日に3回以上の自己モニタリングを一貫して毎日行った人が、ダイエットに最も成功している」と述べた。「自己モニタリングにかける時間や、そこで記録した内容ではなく、自己モニタリングの行為自体が違いを生んだようだ」

具体的には、最も多く減量できた人は、平均で1日に2.7回ログインしていたのに対し、減量できた割合が10%未満だった被験者は、平均して1.7回だった。

この研究は、専門栄養士が管理する減量プログラムに参加した人たちの結果を検証したものであるため、必ずしもすべての人が同様の成果を得られるというわけではないだろう。とはいえ、自己モニタリングを一貫して行うという原則は、体系化されていないプログラムにも適用できる。また、さまざまな領域で「ジャーナリング(日々の記録付け)」が有効だとされているが、それは偶然ではない。

もちろん、ダイエットを始めるにあたっては、目標を設定し、その実現に向けて計画を立てること(カロリーと脂質の摂取を抑える、など)が必要だ。そして、ダイエットの目標設定と、1日に食べる食事の記録、その両方が可能なアプリは数多く出回っていると、研究者たちは指摘している。スマートフォンが何かの役に立つのだとすれば、まさにこれだろう。

「(自己モニタリングは)きわめて効果的であるし、一般に思われているほど大変なことではない」とハーヴェイは述べている。

この研究は、肥満に関する学術誌「Obesity」に掲載された。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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