国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

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ラゴンダ オールテレーン・コンセプト

3月5日、アストン・マーティンのアンディ・パーマー社長は自信満々ジュネーブ・モーターショーの舞台に登り、次世代の電気自動車について語った。

「良く聞かれます。どうしてアストンが作るラゴンダはSUVか、それになぜ電気自動車(EV)なのか、と。その答えは簡単。最近のトレンドはSUVと電気だから、復活させたラゴンダのブランドは電気系SUVにしたわけです」

同氏の言葉を強調したのは、その前日に同会場で、電動SUVのジャガー I-PACEが欧州の最優秀賞「カー・オブ・ザ・イヤー」を獲得したという事実だ。また、実際に今回のモーターショーを回って、電動SUVが非常に多いことに驚いた。日産、メルセデス、アウディ、三菱、キア、プジョー、VW、そして中国のアイウェイズ、みんな次世代の電気系SUVを発表していた。

120年の歴史あるスタートアップ?

まずは、上記で触れたラゴンダの話から入ろう。アストン・マーティンのラゴンダは1898年に英国で設立された名門高級車メーカーだ。1935年のルマン24時間レースに優勝するという輝やしい歴史もあるけど、カーメーカーとしては無名に近い。

そこで、パーマー社長が面白いことをいう。「ラゴンダは、120年の歴史を持つスタートアップ社と思ってください」と。

今回、ジュネーブで初公開されたラゴンダ・オールテレーン・コンセプトは、2022年からアストンのウエールズの新工場で生産される予定の電気自動車だ。スーパーヨットからデザインのヒントを受けたコンセプトは賛否両論だけどね。

日産「e-POWER」欧州導入へ

でも、それより現実を感じたのは、日産のIMQコンセプトだ。ノートe-POWERとかセレナe-POWERは日本で人気だが、今回日産が発表したのは、e-POWER搭載のクロスオーバー・コンセプト「IMQ」だ。

IMQは、「未来のニッサン インテリジェント モビリティ」の一環として、車両の前後にモーターを備える4輪駆動のe-POWER搭載車。正確には、電気自動車というより、小型ガソリンエンジンを発電機として使う電動SUVという感じだ。でも、ジュネーブでe-POWER搭載車を発表したのには意味がある。つまり、日産は2022年までに「e-POWER」を欧州市場に導入する計画があるということだ。

すぐにでも市販できそうなアウディ

アウディは電動SUV第2弾「Q4 e-tron」を発表した。航続距離はなんと450kmと主張している。306psを発揮するツインモーターは、当然、アウディが有名にしたクワトロという4WDシステムがついている。

外観デザインは、今市販EVのe-tronと同様、とにかくバランスが良い。ボディが幅広く、垂直に立つ大型シングルフレームグリルを装備するなど、エッジも効いている。e-tronと同じように、Q4 e-tronもすぐにでも市販できそうな感じだ。

一番格好良かったアルファ ロメオ

アルファ ロメオも、初のPHEVとなる小型SUV「トナーレ」コンセプトを発表した。ステルビオに似たデザインで、シャシーなどの基本ハードウェアはジープ・レネゲードと共有する。パワートレーンの詳細は明らかになっていないけど、いずれ、市販モデルにはなるようで、2駆と4駆のバージョンが用意されるらしい。

アルファの「SZ」と「ブレラ」というモデルで用いられた「3+3」スタイルのヘッドライトとアルファ独自のグリルを採用して、今回披露されたSUVの中で一番格好いいと思った。

文=ピーター・ライオン

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