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Photo by Tasos Katopodis/Getty Images

富豪が常にその保有する資産を増やし続けるわけではない。フォーブスが先ごろ発表した最新の世界長者番付では、前年から資産を減らした人の数は昨年より増加。過去最多の994人を数えた。

多くの人が資産を減らした一方、ドナルド・トランプ米大統領が保有する資産は、前回とほぼ同じ31億ドル(約3460億円)だった。だが、番付の順位は昨年の766位から715位へと大きく上昇した。

ただ、これは大統領のビジネスが安定していたことを意味するものではない。トランプの「帝国」の中心であるニューヨーク市マンハッタンのミッドタウン地区にある「トランプタワー」と隣接する不動産の価値は、合わせておよそ6400万ドル下落している。

フォーブスが入手した文書によると、トランプタワーに入居するグッチとの賃貸契約は7年後に終了する。実店舗よりオンラインで買い物をする人が増え続ける中、トランプが現在ほど高額の賃料で新たな賃貸契約を結べるのかどうかは難しい問題だ。

また、トランプが所有する不動産の中でも特に高収入をもたらしているリゾート、「トランプ ナショナル ドラル マイアミ」の価値は、昨年から2600万ドル減少した。これは、政治的な影響が大きいとみられている。

同施設の利用者の多くを占めていたのは従来、米北東部に住む政治的には左寄りの人たちだったためだ。関係筋によれば、トランプが大統領選で勝利した後にはおよそ10万件の予約がキャンセルされたという。

一方、大統領の不動産ポートフォリオの中には、見通しの明るいものもある。30%を所有するニューヨークとカリフォルニア州サンフランシスコの高層ビルの価値は昨年、およそ1億6000万ドル上昇した。

大統領に就任してもなお、トランプはビジネスを続けている。フォーブスの調査によれば、トランプは昨年中に約3500万ドルに相当する不動産を売却したとみられる。さらに、今年1月上旬にはおよそ2年ぶりに、マンハッタンに所有する物件を手放した。高級アパート「トランプ・パーク・イースト」の面積約78平方メートルの部屋を、215万ドルで売却している。

大統領就任以降、フォーブスはトランプの保有資産に関する調査を続け、情報の精度を上げてきた。今回の番付の作成においては、トランプがワシントンDCに所有するゴルフコースに隣接した住宅2戸を、新たに資産総額の計算に含めた。

トランプはこれらを長年にわたって所有しており、ゴルフクラブのメンバーやゲスト、政治家が安全な避難所を必要とした場合に貸しているとされる。

最も裕福な政治家?

トランプは今回の番付で順位を上げたものの、選挙で選ばれた公職者の中で最も裕福な人物との肩書は失うことになった。今年1月、ハイアット・ホテル創業者一族の出身であるジェイ・ロバート・プリツカー(資産32億ドル)が、イリノイ州知事に就任したためだ。

さらに、首都ワシントンの政治家の中で最も裕福なのは、少なくとも今のところはトランプだが、スターバックスの元最高経営責任者(CEO)、ハワード・シュルツ(同35億ドル)が大統領職に関心を示している。また、ブルームバーグ通信の創業者であるマイケル・ブルームバーグ(同555億ドル)も、出馬するとうわさされてきた。

編集=木内涼子 文=Chase Peterson-Withorn, Dan Alexander

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