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近付く「時間切れ」

ただし、同社が自らの問題を認識していたとしても、時間は味方をしてくれないかもしれない。Lブランズによれば、新たに任命したピンクとVSの経営幹部らの意向がそれぞれの品ぞろえに反映されるようになるのは、年末になる。

ウォール街の一部には、VSが年内に閉鎖する店舗数が少ないとして批判する声もある。さらに、前出のアナリストによれば、投資家が最も注目しているのは、同社が「ブランドメッセージを進化させる」ことに真剣に取り組んでいないことだという。

VSの主なセールスポイントである着飾ったエンジェルたちは、より信頼できると思えるブランドを好むと同時に、ありのままの自分自身を表現したいと考える消費者とのつながりを失っている。そのことを示す兆しが明確になる中で、投資家らの見方はVSにとって、手痛いものと言えそうだ。

VSは今も、米国のランジェリー市場で最大のシェアを維持している。だが、実際の割合は、2018年までの5年間に32%から24%に縮小している。これは紛れもない喪失だ。調査会社ユーロモニターのデータによれば、同市場はこの間に21%の急成長を遂げ、130億ドル規模に拡大している。

一方、VSが業績改善に向けた努力を続ける中、より資金力のある強力なライバルたちが、速いペースで事業を展開している。

米小売大手ターゲットはシェアの拡大を目指し、サイズ展開の豊富な新ブランドの商品の発売を発表したばかりだ。VCの元CEOが出資するサードラブと小売最大手ウォルマート傘下のベア・ネセシティーズは、オンライン販売でVSを出し抜こうとしている。

これら各社がマーケティングにおいて全面に打ち出すメッセージには、共通点がある。あらゆるボディタイプのためのブランドだということだ。現時点ではまだ、VSが最大の市場シェアを維持しているかもしれない。だが、もはやそれだけでは、忠実な顧客を維持するのに十分ではない。

編集=木内涼子

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