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米電気自動車(EV)メーカーのテスラは、最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスクの個人的な趣味のためにあるのではない。テスラは公開会社だ。

テスラには株主と投資家、従業員、ビジネス・パートナーやサプライヤー、顧客という利害関係者がいる。だが、問題が相次ぐ同社は、これらの誰にも報いていない。

同社の取締役会は、より強力な経営体制を確立するための断固たる行動を取るべきだ。必要となれば、後継者の育成計画を検討する機会も持つべきだ。

テスラから完全にマスクを排除すべきだと言っているのではない。同社にとって、それは破滅的な行動だろう。だが、テスラには5年先まで同社を率いることができる、世界に通用する経営者が必要だ。

テスラは現在、主に次の4つの課題に直面している。

・安全性

カリフォルニア州労働安全衛生局は今年1月、テスラが「モデル3」生産のために同州のフリーモント工場に設営したテントには安全性に関する問題があると判断。同社に2万9000ドル(約320万円)の罰金を科した。

同社にとって、この金額は大きな問題ではない。だが、罰金を科された理由は、経営チームが驚くほど計画と配慮に欠けていたことを改めて示すものだ。

アメリカンフットボールのフィールド2つ半ほどの広さがあるテントをつくり、そこに生産ラインを設置するには、許可が必要なのではないだろうか?テスラは許可を取得していなかったとされている。安全基準への違反がないかを確認せず、熱中症対策などに関する従業員への研修も行っていなかったという。

・財務管理

テスラは先ごろ、ディーパック・アフジャ最高財務責任者(CFO)の退任を発表した。実際に退任するのはまだ数カ月先だが、同社のザック・カークホーンが後任となることがすでに公表されている。経営学修士号(MBA)を取得してわずか6年で公開会社のCFOに就任するのは、カークホーンが初めてだ。

確かに、ミレニアル世代をあらゆるレベルのポジションに就かせることは、企業の将来の成功のために欠かせない条件だ。だが、現時点でテスラのCFOに必要なのは、過去の職務から得た経験やパターン認識能力、そして「傷痕」だ。

ウォール街も同じ考えなのだろう。CFOの交代について発表した日、テスラの株価は2%以上値下がりした。

編集=木内涼子

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