LGBTからダイバーシティを考える


「言い出したらキリがない」をなくせ

杉山:僕は最近、子どもができたんです。ゲイの友人に精子を提供してもらい、8年共にする女性のパートナーが出産しました。ただ、僕は戸籍上は女性なので、子どもとの間に法的なつながりは何もない。さらに精子提供者の方も一緒に子育てをすると言うのは、日本ではほとんどないケースでしょう。

村本:でも、アメリカでは当たり前のことですよね。

杉山:はい。LGBTが子どもをもつことについては、40年前から議論されています。まだ日本社会においてはそういった価値観が追いついていないので、子どものことを考えれば、表立って何も言わずにひっそりと暮らした方がいいのではないかと考えることもあります。

しかし、世の中が変わってくれないと、この子が大きくなった時にもっと苦労することになる。だから、いまはしっかり問題提起することに決めました。この子が大きくなるまでに少しでも生きやすい世界にしたい。

ひとつ間違えないでいただきたいのはこのような流れが「伝統的な家族像」を否定するものではないということです。伝統的な家族像は、それはそれでいいんです。ただ、既存の制度やイメージにとらわれ過ぎた今、ルールとリアルがちぐはぐになっています。ライフスタイルが多様化した今、それに合わせて選択肢を増やすことが大事なのではないでしょうか。

世間の風潮は、一気に好転することはありません。様々な議論が起こる中で、後から気づいたら少し前進するもの。だからこそ、いまから根気強く発言するしかないんです。

村本:応援しています。僕がいつも思っていることは、黙っていたら何も変わらないということ。

僕は「そんなこと言いだしたらキリがない」という言葉が大嫌いなんです。そんなことばかり言っているやつには、「お前、本当にキリを探すぐらい頑張ったのか?」と返してやりたいですね(笑)。

最終回の明日は、社会的なメッセージをネタにする海外のコメディアンと、日本のテレビで売れるための芸人の違いを村本が指摘する。

[訂正]本記事で掲載しておりました、芸人のくまだまさしさんの内容について、事実と異なる点があったため、該当箇所を削除いたしました。

連載:LGBTからダイバーシティを考える
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構成=野口直希 写真=小田駿一

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