フォーブス ジャパンウェブ編集部 エディター

作品 Sophie Calle - Voir la mer, 2011 © Sophie Calle / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2019. Courtesy Perrotin

2月3日から9日までの1週間、深夜0時から1時まで渋谷の駅前が「海の音」で溢れた。

音の正体は、スクランブル交差点の4面街頭ビジョンで放映された、フランス人アーティスト、ソフィ・カルのインスタレーション作品「Voir la mer(海を見る)」だ。

プロジェクトに協賛したビズリーチは、なぜ広告ではなくアートでこの場をジャックしたのか。ビズリーチ取締役CPO兼CTO 竹内 真、プロジェクトの仕掛け人「NION(ナイオン)」代表取締役の守屋貴行、アートギャラリー「PERROTIN(ペロタン)」顧問の藤井光子に聞いた。


始まりはアーティストからの要望だった

━━協賛がビズリーチだと聞いて驚いた人も多かったのではないでしょうか。今回のプロジェクトが実現するまでの経緯を教えてください。

藤井:きっかけは、ソフィから「渋谷のスクランブル交差点でも作品を展示したい」と要望をもらったことでした。2017年にも、「Voir la mer(海を見る)」はNYのタイムズスクエアでアートフェアの一貫として展示されていました。

私たちギャラリストは、アーティストたちの作品をいかに多くの人に知ってもらうかを考え、彼らのポテンシャルを最大限引き出す役割を担っています。ソフィがやりたいと言うなら、手伝うしかありません。

しかし、スポンサーを見つけない限り、渋谷の街頭ビジョンで作品を展示することなんてできません。そこで協力をいただいたのが、ブランドコンテンツや映像作品を手がける「NION」の守屋さんでした。

守屋:昨年ソフィに会った際、藤井さんとともにこの相談がありました。今回、僕は企画制作という立場でプロジェクトに関わりました。技術面でもソフィのアート作品をそのまま放映することはできません。そして、どうすればスポンサーがつくかを考えるのも僕の役割でした。そこでお声がけをさせていただいたのが「ビズリーチ」の竹内さんでした。

竹内:実は、今回のお話がある前からお二人とは接点があったんです。アートは元から好きでしたが、企業として携わることはなかったので、純粋に面白そうだなと思ったんです。

幸福感をもたらすビジネスが競争力を持つようになる

━━アートが好きなら「面白そう」と興味をお持ちになるのはわかるのですが、企業として1週間あの場をジャックするのは簡単なことではないですよね。

竹内:CSRやブランディング、マーケティングという観点では、どこの企業でもそのコストに対する説明責任を求められますからね。今回のプロジェクトから、短期的・直接的に目に見える利益は得づらいかもしれませんが、「日本のカルチャーを応援する」という意志を示したいと考えていました。

僕はCPO(最高製品責任者)兼CTO(最高技術責任者)としてビズリーチのサービス、プロダクトを統括する立場にいます。物を作る人も、サービスを作るエンジニアにも、出来上がりを想像する力が求められます。僕のチームみんなにこのプロジェクトに協賛することへの意見を聞いたら、全員が心から「いい!」と言ってくれたんです。

構成=守屋美佳 写真=八木竜馬 写真提供=NION

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