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子供たちの電子デバイスの使用が、発育に与える影響に関しては長年、議論が交わされている。どの程度の利用時間が適切といえるのだろうか。

親たちが子供にデバイスへのアクセス機会を与える上で、これまでの研究結果を知ることは重要だ。米国立衛生研究所(NIH)はアメリカの9歳と10歳の児童1万1000名を対象に、今後10年に渡る調査を実施しようとしている。

NIHは昨年12月時点で、子供にふさわしいスクリーン接触時間は、1日あたり60分以内だとした。NIHのGaya Dowling博士はCBSの取材に対し、4500名の子供の脳をスキャンした結果、1日7時間以上スクリーンを見る子供は、大脳皮質が薄くなる傾向があると話した。また、1日2時間以上の場合でも「思考や言語テストでの、成績の低下傾向が見られた」という。

米国小児科学会は2016年のガイドラインで、子供にふさわしいスクリーン接触時間の指針を示している。それによると、生後18カ月以下の子供はスクリーンを見るべきではない。18カ月から24カ月の子供は、親の監視の下でスクリーンを見るべきだ。2歳から5歳までは、1日で最大2時間の制限を設けるべきだとされていた。

また、6歳以上の子供でも、デバイスの利用にあたっては妥当なルールを定めるべきだとされていた。

一方で、英国王立小児科小児保健学会(RCPCH)は別の見解を示している。RCPCHによると時間ベースの制限が、科学的な有効性を示す根拠はないという。それよりも大事なのは、親が子供のデバイス利用を注意深く監視し、コンテンツの内容に注意を払うことだという。

また、子供が家族と過ごす時間を増やすことや、就寝前の時間帯には、スクリーンを見ないようにさせることが必要だという。

今年に入り、「ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア(Nature Human Behavior)」に掲載された論文も、RCPCHと同様な結論を導いている。その論文の著者は「子供たちが画面を見つめることは、ある程度の望ましくない影響をもたらすものの、懸念されるほどのものではない」と述べている。それよりも重要なのは、デバイスの使用が薬物の乱用に結びついたり、いじめを促したりすることを防ぐことだという。

親たちが子供に電子デバイスを使用させる場合、単に利用時間を制限するだけでなく、コンテンツの内容に気を配ることが必要だ。現在では子供向けの電子書籍やデジタルコンテンツが広く流通しているが、これらが紙の書籍に比べて必ずしも有害である訳ではない。

編集=上田裕資

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