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──そのプロセスで、最もいまに活きている「学び」はなんでしょうか。

努力の方向が間違っていると、人の100倍努力しても絶対に勝てないということでしょうか。僕は頭のいい方ではなかったので、それを努力でカバーしようとしてきた。でも、努力の方向が間違っていたのでうまくいかなかったこともたくさんありました。

例えば、就職活動の時。当時は不況だったので、通っていた東洋大学から「東洋大学の学生は、100社にエントリーしてください」と言われていました。いまならその無駄さもわかるし、10社のエントリーで希望する企業へどうしたら入社できるかを考えていたと思います。

でも当時も僕は、なぜかそこで謎の負けん気を発揮して、「じゃあ俺は人の10倍頑張るぞ!」と思って、1000社にエントリーしたんですよ(笑)。確かに頑張ってはいるけど、そりゃ結果は出ないよね、と。空手をしていたときもそう。骨折をしているときも自分を追い込むために練習をしていましたが、安静にしてその怪我を治すという努力をすべきだった。

努力の方向がズレていたがゆえにうまくいかなかった経験をたくさんしてきて、「正しい努力をしなければ、結果は出ない」ということを痛感しました。

──しかし、その努力が正しいかどうかは結果が出るまでわかりません。

そうですね、そこは難しいところで僕もよく考えますが、結果によってしか分からないと思います。だったら、その結果を振り返るスパンを短くして、少しずつ補正していくのがいいのではないか、と。

努力が正しいかを確かめる、ということに対するクリティカルな解ではないけれど、僕は現時点における自分の偏差値を出して、他の人と比べることで今の努力の方向性を確認することがあります。



偏差値は、「年齢」を横軸に、「結果」を縦軸にして算出します。「結果を出している」はかなり定性的なのですが、例えば「有名なメディアに掲載された」とか「いくらの資金調達をした」とかを書き出したりする。そもそも他人と比較する時点で微妙なのですが、1つの方法としては使えるなって。

歴史上の人物で置き換えるのもよくやっています。高杉晋作は27歳で死んでいるけれど、そのときには奇兵隊を作って社会を変える革命を起こしている。それに対して、いま27歳の自分はどうだ?とか。

こんな風に、「年齢x結果」で自分の努力が正しかったのかどうかをなるべく短いスパンで見ていくと、見たくない現実を冷静に直視することができ、同時に努力の軌道修正をすることもできます。

もちろん、ケンタッキーのカーネル・サンダースのように65歳で起業して成功しているような人もいますが、それも含めていろいろなケースを見ておくことはとても重要かなと。

構成=小野瀬わかな 写真=柴崎まどか

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