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米銀シティグループは先週、賃金格差の透明性向上を目的とした驚きの発表を行った。それによると、同行が世界で雇用する女性従業員の給与は男性と比べて29%低く、米国内で雇用するマイノリティー従業員の給与は非マイノリティーに比べて7%低いという。

米銀行による未調整賃金格差の公表はシティが初めて。同行はプレスリリースで、未調整賃金の格差を「仕事の内容やレベル、地域などの要素で調整していない全報酬中央値の差異」と定義している。ただし、これらの要素を考慮の上で調整すると、世界の女性従業員の平均賃金は男性の99%となり、米国のマイノリティーと非マイノリティーの間では統計学的に有意な格差はなくなるという。

とはいえ、シティの分析では、同行の上級職での女性の割合は依然として低いことが示されている。同行で働く女性は全従業員の半数余りを占めているが、アシスタントバイスプレジデント(AVP)からマネージングディレクター(MD)までの上級職での割合は37%にとどまっている。

しかし、男性が長く支配してきた金融業界では、こうした賃金格差や男女間の不均衡は決して珍しくはない。コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査結果では、金融サービス業では「Cスイート」と呼ばれる経営幹部陣に占める女性の割合はわずか19%で、米女性全体の割合である22%を下回った。こうした状況により、女性従業員を支援できる立場にいる女性幹部が少ないために女性がなかなか昇進できないという悪循環が生まれている。

シティによる賃金情報の公表は、同行の物言う株主である投資会社アルジュナ・キャピタルからの圧力を受けたもの。同社のマネージングパートナー、ナターシャ・ラムは「今回新たなレベルの透明性を実現したことで、投資家は同行の広範な賃金平等性を理解するための測定基準を得る」と説明。さらに、投資家は賃金格差の開示を「多様性の改善度合いや、多様性により可能となる実績上の利益のベンチマーク」として見ていると指摘した。

編集=遠藤宗生

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