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米国で進む富の一極集中は、人種間の格差をさらに広げている──。ワシントンDC本拠の左派系シンクタンク「Policy Studies」のリサーチで、この事実が判明した。

Policy Studiesがフォーブスのビリオネアリストや、米連邦準備制度理事会などのデータを集計した結果、米国で最も裕福な400名(「フォーブス400」に選出されたメンバー)が持つ資産の合計が、全ての黒人世帯の合計を超えていることが明らかになった。

調査結果には次のように述べられている。「1983年から2016年にかけて、米国の黒人世帯の資産額の中央値(インフレ調整後)は、半分以下に低下している。一方で、白人世帯の中央値は33%の増加となっている」

現状で黒人家庭の資産額の中央値は3600ドルであり、これは白人家庭の中央値の約4分の1という低い水準であるとPolicy Studiesは述べた。

米国で見られる人種間の資産額の格差は、世界にも広がっている。2018年にフォーブスのビリオネアリストに登場した2043名のうち、黒人はわずか11名だった。英国のOxfamのデータでも、世界の富豪のトップ42名の資産額の合計が、最も貧しい37億人の資産額の合計に匹敵していた。

Policy Studiesによると富の集中は米国では特に加速しており、米国で最も裕福な3名(ジェフ・ベゾスとビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット)の資産額の合計は、米国人の下位50%の資産額の合計を上回っているという。

今回の調査結果はフォーブスが毎年、米国で最も裕福な400人をランク付けする「フォーブス400」の指標とも合致している。フォーブス400の初年度となった1982年には、このリストを飾るメンバーの最低資産額は1億ドルだった。しかし、2018年の本リストの最低ラインは過去最高の、21億ドルに達していた。

2017年の米連邦準備制度理事会のデータでは、米国成人の40%が不慮の事態に備える400ドルの現金を持てないでいた。また、成人の5人に1人以上が家賃を払えず、資金不足を理由に医療を受けない人の割合も、25%以上に達していた。

この事態を深刻に受け止めるビリオネアの一人であるビル・ゲイツは、資産の不平等は深刻な問題を引き起こすと述べている。「全ての人々が平等な権利を与えられるべきだ」とゲイツは2014年にブログで述べた。

ゲイツと彼の妻であるメリンダらは、世界最大の私立財団であるビル&メリンダ・ゲイツ財団を立ち上げ、昨年は25億ドルを寄付していた。また、ウォーレン・バフェットも同財団に昨年、28億ドル(約3150億円)を寄付した。

しかし、格差の拡大を防ぐことは困難だ。貧困層の子供向けの支援の拡大や、ベーシックインカムの提供、医療費や住宅費の支援などの様々な施策が議題にのぼるものの、それが実行に移されるケースは少ない。問題がある事は容易に分かっても、それを解決することは難しいのが現状だ。

編集=上田裕資

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