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2018年はイスラエルのハイテク系スタートアップが、記録的な資金調達額を達成した年だった。IVC Research Centerのレポートでは、累計の調達額は64億7000万ドル(約7000億円)に及び、2017年から17%の増加、2013年との比較では2倍に達した。

メガディールと呼ばれる5000万ドル以上の調達件数も24件に達し、全体の31%を占めていた。

イスラエルを代表する、エクイティ・クラウドファンディング・プラットフォームである「OurCrowd」の創設者でCEOのJon Medvedは次のように述べる。「テック領域のスタートアップへの資金流入額は5年連続で伸び、2018年はあらゆる領域での調達額が過去最高に達した」

「創業間もない企業への2000万ドル以上の出資件数は、5年前の4倍に伸びた。スタートアップ立国であるイスラエルの企業は、スケールアップのフェーズに入っている」と別のベンチャーキャピタル83Northのパートナーも述べている。

ただし、IVCは過度に楽観的な見方には疑問を投げかけている。「資金流入が止まったら何が起きるだろう? 世界経済の動向を注視した場合、今後の12カ月で情勢が変化する可能性もある」

Medvedもこの見方に同意し、「市場の混乱や不確定要素が様々な形でテック領域への出資に影響を与える可能性はある」と話す。しかし、優秀なベンチャーキャピタリストたちは、不利な状況下でも有利な投資先を見つけ出すと彼は話す。

「市況が低下した場合、優れた投資家はアーリーステージの企業へのシード投資を倍増させる。2019年は長期的視野に立った、アーリーステージの企業への投資が伸びるだろう。イスラエルには膨大な数の有望なスタートアップがあり、OurCrowdは彼ら向けの投資を活発化させていく」

別の投資家もこの意見に同意する。「世界的にアーリーステージの企業が資金調達に苦しみ始めるなかでも、イスラエルのスタートアップは成長に向けた資金にアクセス可能だ。彼らはエグジットに向けて焦ることなく、時間をかけてテクノロジーを磨いていける」

2019年も活況は続くのか?

2018年にイスラエルのフィンテック関連のスタートアップは、累計9億4100万ドルの資金を調達し、2013以降で最大を記録した。また、AI関連の企業は累計18億9000万ドル、ライフサイエンス分野の企業は12億ドル、サイバーセキュリティ関連企業も史上最多の10億800万ドルを調達した。

2018年にイスラエルのスタートアップ企業が調達した資金の30%がイスラエルの投資家からであり、70%が海外からだった。そのうち35%が米国で、中国とドイツ、英国が各3%を占めていた。

「2019年はラテンアメリカ諸国や中東、東南アジアなどからの新たな資金流入が期待できる。さらに、米国や欧州、アジア地域の伝統的金融機関からの出資も期待できる」とMedvedは述べた。

2018年は世界的に見ても、ベンチャーキャピタルの投資が過去最高レベルに達した年だった。CB Insightsのデータでは、2018年の1億ドル以上の資金調達件数は世界で382件に達していた。しかし、Crunchbaseのデータでは、2018年第4四半期にテック業界のIPO件数が大きく落ち込んだことも判明している。

2019年もこの状況は続くのかという疑問に、Medvedはこう答えた。「ウーバーやBeyond Meat、ピンタレストといった著名企業の大型IPOが呼び水となり、資金の流動性が再び高まることを期待している。ただし、これらのIPOが失敗に終わった場合、VC業界だけでなく、広範囲に影響を及ぼすことになる」

Crunchbaseは2019年の見通しについて、こう述べている。「スタートアップへの巨額出資が相次いだ2018年を終えて、投資家たちは2019年が巨額のエグジットが頻発する年になることを望んでいる。しかし、さしあたっては、事態の成り行きを見守るしかない」

編集=上田裕資

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