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(左)代表取締役社長 相木孝仁 (右)会長 清水祐孝

2015年のマザーズ上場以降も、順調に成長を続けてきた、鎌倉新書。創業家社長は、さらなる成長を見据え、新たな経営体制へと移行した。その真意とは。


「マザーズ経由ユニコーン」を狙い成長を続けるポストIPOスタートアップの中でも注目を集めているのが、鎌倉新書だ。

1984年に仏壇・仏具業界向けの出版会社として創業した同社が現在手がけているのは、日本最大級で全国1000以上の葬儀社と提携する葬儀相談サービス「いい葬儀」、全国7900件以上の墓地・霊園と提携する情報サイト「いいお墓」、5000件以上の仏壇店を掲載する「いい仏壇」といった情報ポータルサイト。これから迎える超高齢化社会に不可欠な「ライフエンディングサービス」を手がけている。

同社の業績は好調に推移し、2019年第二四半期(18年2〜7月)の売り上げは前年比32.9%増の10.7億円、経常利益も前年比47.9%増の2.3億円。現在、時価総額400億円超えと、同社がマザーズ上場した15年と比較すると約20倍になっている。「インターネットサービスが事業の中心になると考えたとき、とにかく人がすべてだと思いました」

上場した理由をそう語るのは、02年に創業者の父から経営を引き継いだ、現会長の清水祐孝(写真右)だ。

「優秀な人材をどれだけ集めて、彼らがこの会社で頑張ろうと思えるような環境をつくれるか。人の優位性で勝っていくために上場すべきだと考えました」

鎌倉新書は現在、さらなる成長に向けて、動き出している。17年9月、楽天の元常務執行役員、相木孝仁(左)が代表取締役社長に就任し、清水とともに二人三脚で経営を行う体制を確立させた。

「(業界誌から次々と主事業を進化させるなど)自分は先々のことを考えてビジョンを描いていくのは得意なほうなんですが、足元を見ると、経営に関してはまだ甘いところがありました」と清水は振り返る。

事業や組織の規模が次第に大きくなっていくなかで、マネジメントの得意な人に参画してもらう必要がある──そう考えていた際に出会ったのが相木だった。

「鎌倉新書が提供しているサービスを考えると、これはますます社会にとってなくてはならない事業になっていくだろうと思いました」。楽天時代に、日本に比べて「死」が身近な存在として捉えられているイスラエルに赴任したことをきっかけに「生と死」というテーマに興味をもった相木は、鎌倉新書に感じた可能性をそう語る。「そしてそこに、自分の人生をかけて貢献したいと」。

一方の清水にとっては、コーネル大学でMBAを取得したのちに、カルチュア・コンビニエンス・クラブや楽天といったIT企業でキャリアを重ねてきた相木は「自分にはない素質をもった存在」に映ったという。直感に優れ先見性のある右脳タイプの清水と、日々のマネジメント──17年2月半ばに知り合いを介して初めて会った2人は、それぞれの強みを補える関係であることを確信し、意気投合。相木は同年4月1日に鎌倉新書に入社することになった。

文=宮本裕人 写真=Kay N

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