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クルマとの新しいコミュニケーション、多様化する生活のなかでの役割の変化。多様化するクルマのありかたが、われわれの暮らしを変えてゆく。

LEXUS:スマートに街を駆けるクルマの“解”を積み上げる


レクサスの末っ子SUVと、「UX」のことを侮ることなかれ。世界的にも人気が高まりつつあるコンパクトSUV市場に打って出る重責を担い、レクサスのコアバリューである“プレミアム・クロスオーバー”を凝縮したモデルなのだ。開発陣を率いるチーフエンジニアは、トヨタ自動車初の生え抜き女性役員である加古慈氏である。

「“女性ならではの視点”についてよく聞かれますが、特別に意識していることはありません。「UX」ではむしろ、年齢や性別といった枠組みを越えることを意識しました。都会で暮らす人々のパートナーとなり得る上質なクルマ作りを、レクサス・ブランドとしてどう表現するか?に心を砕きました。プレミアム・クロスオーバーと呼ぶに相応しい内外装は必須ですが、都会で暮らす人にとって、フォーマルな服装でも乗り降りしやすく、街中でも運転しやすいことを重視して開発しました」

女性である以上に、チーフエンジニアとしてのビジョンを明確に持っている人だ。具体的には、グローバルプラットフォーム「TNGA」を採用することで、低重心化による走行性能の向上や、カウルを低めたスタイリッシュなエクステリア・デザイン、一体感のあるインテリア・デザインといった一つひとつの“解”を積み重ねて「UX」をつくり上げた。

彼女の視線の先には、女性目線ではなく、チーフエンジニアとして、レクサスが目指すクルマ作りが明確に描かれているのだろう。運転席からの眺めも、同じ世界観で統一されている。低めの着座位置と囲まれ感のあるコックピットはスポーティなセダンのようだが、クロスオーバーに求められる重厚感や頼もしさも併せ持つ。 

ボディサイズはコンパクトでも、プレミアムにふさわしい世界観を内包。それと同時に、「UX」の内外装から感じる“気負いのないシンプルさ”という価値観は、開発チームを率いたチーフエンジニアの人柄が反映されているようにも思える。


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