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ジョンソンの経営スタイルは、左脳タイプで数字に基づくものだと見られている。右脳タイプで直感的なシュルツのスタイルとは、反対に作用する。規律あるジョンソンのアプローチは、シュルツの桁外れな願望を抑えるのに必要なものだった。

シュルツは2012年、お茶でもコーヒーと同じような状況を引き起こそうと、「ティーバナ」ブランドを買収。だが、ジョンソンはCEOに就任した2017年、展開していたティーバナのお茶専門店379店舗を全て閉鎖した。

ティーバナ・ブランドのお茶は現在、スタバの店舗で提供されているほか、スタバ商品の販売権を取得している食品大手ネスレを通じて、食料品店などで販売されている。

シュルツはまた、イタリアのベーカリー、プリンチの同国以外での販売権を2016年に取得。1000店舗をオープンしたい考えを明らかにした。ただし、これまでに開業しているプリンチのショップは、3店舗のみだ。

スタバとその株主たちにとっては幸いなことに、シュルツの夢にはジョンソンによって、ブレーキがかけられている。

遅すぎた「高級化」への取り組み

ジョンソンがリザーブ ロースタリーに関するシュルツの構想を聞かされたのは、5年前だったという。2013年には、そのアイデアは適切なものだったのかもしれない。高級品市場は、より体験を重視する方向に進み始めようとしていた。

だが、スタバはその後、マーケット・リサーチャーである筆者が「ラクスフレーション(luxflation)」と呼ぶわなに陥ってしまった。

高級ブランドは絶えず、途切れることなく自らの価値を高め続けていかなければならない。それに対する恒常的な努力がなければ、高級ブランドは消費者の意識において、高級品市場にとどまることができない。必然的に、一般的な、普通のブランドと見られるようになってしまうのだ。

スタバがリザーブに関する構想を維持すれば、従来のスタバの店舗をさらに閉鎖しなければならない状況に追い込まれるだろう。もちろん、「自らを破壊する」というマントラを唱える企業は多い。ただ、スタバのリザーブ ロースタリーは、近い将来における同社の成長に向けての特効薬になるほど、破壊的だとは考えられない。

編集=木内涼子

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