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無二の魅力は「驚き」、そしてノスタルジーへの回帰

ブサーは時計専門のメディア「HOROLOGIUM watches & more」に2012年、こう語っている。「クライアントたちがわれわれに期待しているのは「驚き」であり、わが社にとって一番のリスクは、クライアントをびっくりさせられなくなることだ」

さらに同メディアはこのようにも書く。

「ブサーの作る時計にはSFやテレビのファンタジー番組からの影響が大きい。ブサー自身も、自分のクリエイティビティは子供時代の影響を強く受けている、と言っている。少年時代、70〜80年代の記憶が、21世紀にMB&Fブランドの高級時計となって姿を現したのだ。そして、自分自身の子供時代の記憶を彼の時計に見るとき、人は強く強く惹きつけられる」

「「ノスタルジアへの回帰」がブサーに作品を作らせている。「大人になってから懐かしく思うだろうもの」など知りようもなかった子供時代の記憶。子供の頃はただの通過点だったが、大人になってから情熱が再燃するような風景、それがブサーの時計を目にした瞬間に蘇るのだ」  

SFアニメ「キャプテンフューチャー」は、人工生命の創造に成功した学者を父に持つ主人公が、父の残した“生きている脳”や人工人間たちの力を得て宇宙の平和と正義のために戦う壮大なスペースオペラだ。その世界をブサーが「HM6 限定エディション・ピンクゴールド」に再現した。

ドバイのオークション会場でこの時計に魅入られた人たちの胸中には、少年の頃まぶたに焼き付けた遠い宇宙への夢、憧れたヒーローの勇姿が、過去への郷愁とともにくっきりと蘇ったのかもしれない。

文=石井節子 写真=MB&F/Forbes US/東映ビデオ提供

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