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全米で「切らない美容室」として知られる、DrybarやDreamDryなどのブロー専門ヘアサロンが増える中、デトロイトのあるサロンのユニークな経営理念が注目を浴びている。

国際労働問題の専門家だったダナ・ホワイトが自己資金3万ドルで2012年に開店した「パラリー・ボイド(Paralee Boyed)」は数少ない、縮毛を持つ黒人のためのサロンだ。

「私たちの髪は整えるのに何時間もかかる場合がある。少しでも早くお客さんを送り出したい」とホワイトは言う。

サロンを開くにあたり、ホワイトはゼネラルモーターズとフォードのエンジニアの力を仰いだ。入店、シャンプーから会計までの一連のプロセスが、自動車工場のラインのように効率良く進む動線を確保するためだ。

エンジニアたちは「リーン生産方式」(製造工程における無駄をできる限りなくし、コスト減を目指す生産方式)に則って、利用者が座る椅子、タオル、スタイリング道具をはじめ、店内のすべての物の配置を指示した。また、シャンプーの仕方や、ポンプ式のシャンプー容器に関しても、スタイリストたちが時間と資源を最大限に有効活用できる方法を採用した。ホワイトは「(自動車産業の街)デトロイトだからできたことだ」と振り返る。

利用者1人あたりの滞在時間が短いということは、各スタイリストが1日により多くの利用者を施術できることを意味する。回転が早ければ早いほど、チップ収入が増える。パラリー・ボイドは予約を受け付けていないが、その理由もスペースやスケジュールの無駄を省くためだ。

売上は順調に伸びており、2018年の年商は50万ドル弱を見込んでいる。昨年は28万5000ドルだった。有料広告は一切出していない。

ホワイトにとっての転機は2015年に訪れた。投資家から2号店のオープンを提案され、地元のコンサルティング会社に相談した。コンサルティング会社は、2号店を出す代わりに年に4回、従業員を対象とした意識啓発研修「カルチャーサークル」を開催することをホワイトに薦めた。

「事業を拡大する前に、パラリー・ボイドの文化をしっかり根付かせる必要があった。特に同業他社から移ってきたスタッフは、パラリー・ボイドで働き出して価値観がひっくり返った経験をしているかもしれない。たとえば私たちはプライベートを仕事に持ち込まないように教えているけれど、他の一般のサロンとは異なる点は多いはず」とホワイトは語る。

編集=海田恭子

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