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世界を目指す「社内発イノベーション」事例


入社1年目の当時、SAPに応募したのは3人のチームだったが、5年目の今、組織は数十名まで拡大。wena wristの成長とともに見る景色も変わった。

「0→1フェーズは純粋な気持ちで作ることに専念できましたが、1→10では経営の視点も必要です。冷静なジャッジを求められるようになりました。純粋に良い商品を作りたいという気持ちに加えて、事業を経営していく視点も持っていくこと。事業を大きくすることはそういうことだと思います」


ソニー 新規事業創出部 wena事業室 統括課長・對馬哲平氏

こんなこともあった。セイコーとのコラボ「SEIKO WIRED」はセイコー側が用意した皮バンドとwena wristのバンドがセットとなっている。仮にどちらかのバンドが壊れた場合の保証先をどうするか議題に挙がった。それぞれがケアすべく2枚の保証書を同封することで帰着したが、企業ごとの様々なルールがあるなか、新しいことをするには関係各所と調整しながら進めていく必要があると学んだ。

現在の對馬氏とSAPは事業家と投資家の関係に近いという。「実績ができるとある程度任せてもらえるので、事業判断はこちらで行います。新たに投資が発生する場合、それに対する判断がSAPからされる仕組みとなっています」

對馬氏は続けた。「SAPに応募して本当によかったです。ビジネスの成り立ちや物流、商流、ロイヤリティなど何も分からない状態から始めましたが、事業を続けるうちに、ここではどうやってビジネスを組み立てるのかよく分かってきました。実際に現場で経験して得たことは大きいです」

「立場が人を育てる」というが、腐心した結果を体現している。

SAPには2018年3月末で700件、延べ2000人が応募している。對馬氏は、就職活動生や新卒の社員などから、自身もSAPに応募してみたいという相談もよく受けているという。

思っていることを叶えたい

今後の展望を聞くと、「世界展開を視野に入れています。たまに電車のなかでwena wristをつけている方がいるとめちゃくちゃ嬉しいです。それを全然知らない国の人がつけてくれる姿も見たくて」と對馬氏。単純な夢ではない。「実現できないことを言っても仕方ない」と触れたうえでそう語ってくれた。

自らを「探究心が強い」という對馬氏は、無類のキレイ好きでもあり、自宅で愛用しているルンバを「めっちゃ掃除する」だけでなく、リモコンやソファに置くクッションの位置も決めている。アレクサも2台配置し、“相当な”セットアップを施しスマートライフを送っているという。

こだわりと一言で片付けるなかれ。これらは商品を生み出すことにも通じるという。あくなき姿勢がwena wristの源泉にあることを証明していた。

連載 : 世界を目指す「社内発イノベーション」事例
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文=木村忠昭

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