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(左)透明のオブジェの中には、時計のパーツが閉じ込められている (右)若者が写真撮影する様子

出展テーマは「THE FLOW OF TIME」。セイコーの独自機構スプリングドライブの滑らかな針の動きから生まれるエモーショナルな時の流れを、大型スクリーンと時計のパーツを封じ込めた12個のオブジェで表現した。来場者は会場に入ると、まずは映像に圧倒され、そして引き寄せられるようにオブジェと時計パーツを見入っている。

「想像以上の評価をいただきました。時間に対する考え方や空間を覆う静寂さに、日本らしさを感じたようです。この会場を訪れる人々の多くは、時計が動く原理やメカニズムを理解していないでしょう。しかしクラフツマンシップや伝統、技術に興味を持ち、その価値を理解してくれる人は多いはず。これまでのグランドセイコーは、機能の話が多かったかもしれません。しかしグローバルマーケットに対しては、こういった感性的な魅力を語り、ブランドの認知度を高めていきたいですね」

高橋がこういった視点を持ちえたのは、彼のキャリアも関係するだろう。長らく商品企画や広報宣伝を担当し、現在もCMO(チーフ マーケティング オフィサー)を兼務している。

「時計産業では、ともすると製品よりもブランドの方が重視される。マケティングやコミュニケーションはもちろん、そこにデザインの力も加わって、ブランド力が高まるのです。デザインに言葉はいりません。企業のDNAも歴史も、哲学も全て結実した結果が表れるのが、デザインなのです」

時計愛好家であれば、グランドセイコーの凄みは理解している。しかしそれを世界に伝えるために、たくさんの言葉を尽くすのはナンセンスだ。ふと時計に目を落としたその瞬間に、綺麗だなぁと心を揺り動かすことができるモノを作る。それこそが真のラグジュアリーブランドなのだ。

ミラノサローネへ参加し、さらにはミラノ市内の多くのエキシビションを視察することで、高橋は多くの刺激を受けた。グランドセイコーがグローバルブランドへと進化するためのアイデアの種が、たくさん見つかったに違いない。

photograph by Mitsuya T-Max Sada edit&text by Tetsuo Shinoda

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