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共に、生きる──社会的養護の窓から見る


「社会的養護」という制度について、少しアウトラインを説明しておこうと思う。厚生労働省では、次のように説明している。

「保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」「社会的養護は、『子どもの最善の利益のために』と『社会全体で子どもを育む』を理念として行われている」

つまり、何らかの事情で保護者が育てることができない子どもは、子どもの最善の利益のために、社会みんなで育てていきましょう、というのが社会的養護だ。

社会的養護は、法律としては児童福祉法にひもづいている。ここで言う「児童」とは、18歳未満を指す。社会的養護につながるためには、児童相談所という子どものための相談機関の関わりが不可欠だ。親の経済的事情、虐待、疾病などで、家庭で暮らすことが適切ではないと児童相談所が判断した子どもたちは、親元から離れ、「児童養護施設」や「里親」などに預けられ、ともに生活しながら、学校や幼稚園、保育園に通う。

しかしそれも、原則的には18歳までであり(H28年の児童福祉法改正で、「自立援助ホーム」は22歳の年の年度末まで延長できるようになったが、あくまで原則は18歳まで)、学校に通っていることが暗黙のルールとなるため、たとえば高校へ進学しない、中退したという場合には、「自立できる(働ける)」と判断され、施設や里親のもとを出て自立を余儀なくされる。

社会的養護のその先に

15歳や16歳、はたまた18歳で「自立できる」とされ社会に放り出された彼らは、頼れる者もないまま、たびたび困難な状況に直面し、つまずく。元いた施設に相談しようにも、施設職員は在園している子どもたちのケアで手いっぱい。

子どもの虐待はたびたびニュースになるため社会的な注目も集めるが、「その後」となると、「どうにかやっているんだと思っていた」と、極端に反応は薄くなる。

社会的養護のその先に、どんな課題があるのか、どう生きているのか、その現状はあまりに知られていない。次回では、全国に広がり始めた、社会的養護の「アフターケア」の取り組みについて紹介したい。

文=矢嶋桃子

デル
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