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トランプ政権は半導体企業買収を阻止

「中国進出を狙う海外企業には、より大きな困難が待ち構えている。国内企業を保護しようという政策の下で、これは当然の流れだ」とHirsonは述べた。

一方で、中国側の要求に沿う形でビジネスモデルを修正する企業も現れた。クアルコムは2015年、独禁法違反で9億7500万ドル(約1100億円)の罰金を中国政府に支払った後、地方政府と合同でジョイントベンチャーを立ち上げようとしている。

クアルコムのDerek Aberleは国営メディアのChina Dailyの取材に、「今回のジョイントベンチャーで我が社のテクノロジーを、中国市場向けにカスタマイズした製品を生産する」と述べた。GMの中国プレジデントも「中国市場に最適なテクノロジーを投入していく。技術移転に関する懸念は抱いていない」と述べていた。

しかし、中国は海外の技術を自国の市場に適用するだけでなく、その技術で国際競争力を高め、やがて第三国に向けてより安価なサービスを提供し始めるとの懸念がある。

中国の鉄道会社は日本の川崎重工から提供された技術をもとに、2009年に高速鉄道を作りあげたが、その後中国は「独自技術」としてこのテクノロジーを第三国に売り込もうとしている。

米国政府は、ロボット技術や半導体分野でも中国に対する警戒心を高めている。米国通商代表部のRobert Lighthizerは今年8月、知的財産権に関する調査団を立ち上げ、両国の取引で米国が被害を被っていないかの調査に乗り出した。

米国政府は海外からの対米投資を監査する団体(CFIUS)を立ち上げ、ここでもその主眼は中国企業に向けられている。中国の金融企業アントフィナンシャルが、米国の送金サービスのマネーグラムを買収した際にも、安全保障上のリスクが指摘された。

今年9月、米トランプ政権は中国ファンドによる半導体メーカー、ラティスセミコンダクターの買収を阻止した。これはラティス社のチップが軍事面での通信に用いられており、国防上の懸念があると判断されたためだ。

「米国政府は中国への技術移転に対する監視の目を一層強めている。その一方で、習近平が国内企業の保護と、技術力の向上による経済発展を打ち出したことで、今後の5年で米中の対立はますます深まるだろう」とEurasia GroupのHirsonは述べた。

編集=上田裕資

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